しごとのこと 日々思うこと 着物のこと

新品でも古着でも、今、きもちいいものを選べばいい。

投稿日:2018年1月27日 更新日:

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私は、基本、新品の着物しか扱いません。

しかしお客様から依頼があったとき、古着を提案することもあります。

まだ古い考え方が残っていますが。

古着を扱うと、

 「あのお店で買ったものは古着に見られる。」

 「新品を買ったのに、あのお店に行ってるだけで、古着を着てる人に見られる。」

新品も古着も同じ店で扱うと、そんな目で見られる。

と、誰かに言われまして

古着を扱うことはありませんでした。

たしかに、そうですね。となりまして、

扱いませんでした。

ただ、最近私たち、お店無いもので。

新品というか、古着というか、

一人一人のお客さまが望むものに適したものを提案できたら。

と思っています。

「着物を着る練習用に着物が欲しい。」

「とにかく価格が安くて、古着じゃなく、新品がいい。」

なら、

「ネットで仕立て上がりの自分サイズを探すのがいいですよ。」と言います。

ここでは、「自分で探す」というのがミソです。

私たちが探すと、私たちにお金が発生してしまい、安いものが手に入りません。

自分で探す時間を作り、探せる知識を身につけ、買う。

しかし、ここが、本来、私たちの強みです。

ある程度の知識があるので、探す時間も短縮できて、私たちが納得するもの

価格に見合ったものを提供できる自信が、一般の方よりはある。

お客様も、「誰かがまず信用した商品」を選べるわけですから、

着物屋を介することで、安心が一つ買えるのです。

しかし、ネットを利用すれば、誰でも時間をかければ手に入れられる環境ですので。

ここを強みにすることは、将来は危険だなと思っています。

話が逸れましたが、、、

新品と古着のメリット、デメリットがあります。

ここで言う古着は、着物の古着を扱っているお店で買った品になるかと思います。

  • 新品のメリット

  ・まさに新しく、気持ちがいい。

  ・自分の体型に仕立てられる。

  ・裏地の色も選べて、自由がきく。

  ・価格が高い。

  • 新品のデメリット

  ・古着と比べて、価格が高い。

  ・仕立てが必要なものの場合、購入してから仕立てて、着用まで時間がかかる。

  • 古着のメリット

  ・新品と比べて、価格がだいぶ安い。

  ・気に入ったものがあり、寸法も合ってれば、すぐ着られる。

  • 古着のデメリット

  ・価格がだいぶ安い。

  ・気に入ったものがあっても、寸法が合わないと着られない。

  ・どのように保管されていたのか、誰が着ていたのか、わからない。

もっと、各々いろいろあると思います。

私が思うに、

新品か古着か、ということは重要ですが、それよりも

あなたが「どこに、なんのために着るの?着て行くの?」

が重要なのかなと思っています。

着物を着る練習をするためだけに、着物を用意するなら

自分に合った寸法の古着でいいんじゃないかな。とか。

年に1度は、舞台に立たねばならないのです。という時は、

新品を買ったほうがいいんじゃないかな。とか。

もっと突っ込んでいうと、

古着の場合は、

はじめに新品で買った購入者が、その着物を買った時点で

魅力をほぼ100%、ちゃんと消費しています。(だいたいのものが、です。)

その100%魅力を消費したから、手放している。

そうやって手放されたものだから、価値が下がっていて、

また輝きが鈍い。(いや、私が鈍く感じるだけかもです。)

何十万もしたものが、1万以下の価格になっている。

何十万という価値を、最初に買って、仕立てて、

着た人が、もしくは着ていなくてしつけが付いたままのものでも、

買った時点で消費している。と思っています。

でもこれは私の感覚です。

古着でも魅力100%と感じる人は、それで良いと思います。

それを着て、堂々と表舞台に立つ人もいます。

私の場合「なんか輝きが鈍いなぁ」と感じたものの多くは、古着だということです。

あと、古着を着ている人は、それを買った時点で

価格や、どうしても自分用に作った着物では無いものを着ていることを

自分が知っている。自覚している。

自分用に着物を作った人ならわかると思いますが、

自信を持って、堂々と、着ることができないんじゃないか。と思っています。

これも完全な私の感覚ですけれども。

その人が自信を持って、場に出ていけるか。

自信を持って堂々と場に出たいとき。

着物を着るなら、新品をお勧めします。

ということです。

(が、もちろん古着でもいいんです。)

先ほどの例えですが、

「年に1度は、舞台に立たねばならないのです。」の場合、

来年も再来年も舞台に立つ、立ちたい、という思いなら

新品を買って、その気持ちを着物にも乗せて、頑張る力にしましょう!と提案したい!!

「今年は着なきゃいけない。あとはいつ着るか分からない。」の場合は、

レンタルという選択肢もありでは?と提案します。

また話は変わって、

古着の中でも、両親や親族から譲られる。知り合いから譲られることがあります。

私たちもその際にはお仕事をいただくことが多いですが。

この場合、販売されている古着のものとは全く違ってきます。

身内、親族、友人から譲られる場合は、

その人との関係、歴史、人となり、それまで含めて、いただく。

力をもらえたり、何か記憶が甦ったり、また新品とは別の喜びが生まれる。

そんな気がします。

ママ振袖などをオススメしたいのも、そんなとこです。

自分の意志とか思考とか欲望とかとは全く及ばない別のところで、

縁としか言えないものが眠っている。それが着物です。

作為全くなし。 自分がどのような流れで生まれてきたか、

育ってきたか、成り立ってきたか、

全然好きでもない着物が、家のタンスに眠っている。

– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – 

おばあちゃんが着物が大好きで、たくさん買ってたから、

お母さんは、そんなおばあちゃんが嫌で、着物が嫌いになったって。

でも私は、その話を聞きながら、おばあちゃんがなぜそんなに着物が好きだったのか。

気になって、開かずのタンスをこじ開けてみた。

– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – 

そんな物語は、どこの家庭にも実はあったりする。

みんな、物語が眠っていることさえ知らない。知る暇がないのかな。

面白いこと、いろんな人を巻き込んでしまう幸せが眠っている。

どんな形であれ、起こす人がいてくれたらいいなと願います。

ただの断捨離になってしまうのは、もったいないです。

もしかしたらたった一つのワンピースが、着物が、

いろんな人を辿らねばならないような、アクションに繋がり、

関わるみんなの小さな幸せに気づかせてくれるような、

そんなものになるような気がするんですね。

若者の洋装ファッションでは、古着が流行だそうです。(今も流行あるのかな?)

普段着として、ファッションを楽しむという面では

着物の古着も良いかもですね。

初心者練習用にもオススメです。

まぁ、私はどっちつかずです。

いつまでもどっちつかず。

白黒はっきりさせず、いつまでもグレーでいたいと思ってます。

正解が、時代によって、変わります。

着物の世界も多分そうです。

今、この時、心が気持ちいい方向に行ければいいんじゃないかなぁ。

そんなお手伝いをさせていただいている、私、着物屋です。

 —————————————————————————————-

お仕事ください。

ayarawat◽po3.synapse.ne.jp





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