実家の着物、そろそろ何とかしなきゃ。そう思いながら、何年も手をつけられずにいる人は多いと思います。
わたし自身、着物屋を10年やっていたので、そういうお客様の相談に何度も立ち会ってきました。
そして今、業界を離れた側の人間として振り返ると、着物の整理が難しい理由は、単に「めんどくさいから」の一言では片付かないと感じています。
実際には、いくつもの要素が絡み合って、腰を重くしています。
物理的に、重い
まず、着物そのものが大きく、嵩張り、重いです。タンスを開けて、1枚1枚たとう紙を開いて確認する。それだけでも、始める前から気力を削られます。また、このタンスに入っていたはずなのに、ない。といったことも出てきます。何処に行ったかわからないもの、確かアレがあったはずなのに。さて、どこへ?と、家中を探したり。なかなか前に進まないことにイライラしたりします。
知識がないと、判断できない
次に、知識の壁があります。着物に詳しくないと、目の前にあるものが何なのか、どう扱えばいいのか、判断がつきません。これが訪問着なのか付け下げなのか、正絹なのか化繊なのか。わからないまま、ただタンスの前で立ち尽くすことになります。わかる人を連れてくればいいかもしれませんが、なかなか大変な作業に立ち会わせるのも気が引けます。
「もしかしたら」が、手放させない
淡い期待も邪魔をします。「もしかしたら、いい値段で売れるかもしれない」。
そう思うと、二束三文で手放すことに抵抗が生まれます。
かといって、実際の価値を知りたくて買取業者を呼べば、そのままの流れで買い取られてしまう。
「金額だけ知りたい」というわがままは、なかなか通りません。(業者さんは、「売らなくてもいい。」とも言うようですが)
着物買取業者の中には、家の中に入り込むために高額買取をうたい、別の商品を探すようなやり方をするところもあると聞きます。
だから、頼むこと自体に不安を感じる人がいるのも、当然だと思います。
自分1人では、決められない
さらに、自分1人だけでは決められないという事情もあります。
親や兄弟の意見も尊重しなければならず、話を進めるには根回しが必要になります。
1人で決裁できるなら、話は早いのですが、着物にはそれぞれの家族の思い出や関係性が絡んでいることが多く、簡単には進みません。
わかっているのに、動けない
それでも、誰かがやらなければ、いずれすべて処分されるか、どんどん状態が悪化して手に負えなくなる。それは、頭のどこかでわかっています。
わかっているのに動けない。その理由が、こんなにいくつも重なっているのだから、動けなくて当然です。
そんな条件の中、動かさねばならない。という立場にいる方々の苦労を感じます。
自分の知らないところで、勝手に処分された方が気が楽なのかもしれない。
でも、そんなわけにはいかない。
そんな方の手助けになるような着物整理の方法を考えてる最中です。
これまでも着物の整理について書いてきました。
過去の記事ですがもしよければ、こちらもあわせて読んでみてください↓


一番良いのは、実際に現場で手を貸すことですが、なるべくお金をかけず、自分たちだけで済ませるための手順、整理シートを作成して配布できないかなと考えています。
今まで挙げた「着物の整理の難しさ」を、ひとつずつ解消していくしかないのですが、
それを伴走できるシートを用意できないかなと。
今、この整理をどう進めればいいのか、着物屋だった経験を踏まえた具体的な判断の道筋を、別の形でまとめている最中です。
もし「そういうのがあったら知りたい」と思った方がいれば、感想を聞かせてもらえると嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。


