他郷阿部家にインターンしたお話

日々思うこと
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他郷阿部家から帰ってきてから10日が経ちました。


最近のことなのにパラレルワールドにいる違う自分の記憶が残っているような


今思い出しても本当にあそこで働いて居たんだろうかと思うような不思議な気分です。


こちらでインターンとして働かせていただいたのは実質8日間だったけど


1年以上居たようなとても濃い日々でした。

群言堂に出会ったのは2016年の5月の東京出張でした。


coredo室町で「gungendo」という空間デザインがとても印象的なアパレルショップに出会ったのがきっかけです。

そこにあった本にも目が止まりました。


美山という小さな町で起業した私たちはこの言葉にも惹かれたのです。


消費社会に疑問を感じ、雑貨の取り扱いを減らそうと考えながらの出張で


「消費される雑貨と見切りをつける!」と息巻いて


ミッドタウンで開催されていた「雑貨展」へと足を運びました。


箱庭さんの雑貨展リポート↓



おしゃれでシンプルな現代的デザインの雑貨や昔から残っている雑貨、


作家モノの日常雑貨、日用品雑貨。


有名アーティストや店主さんなどがセレクトした雑貨たちが展示されている企画展。


そこでも一番目を惹いたのが群言堂の展示だったのです。


お玉や竹かご、ほうきに湯たんぽ、三浦編集長と書かれた新聞。


「生きている」


物質的な雑貨ではなく生きているモノが飾られているそう感じました。


鹿児島に帰ってすぐに群言堂関連の書物を購入し


ますます、ここの場所へ行ってみたい気持ちが膨らんで行ったのです。

阿部家の1日はとても忙しい。


インターンの仕事は朝から客室の掃除と調理の補助がメイン。


屋根の上に登って布団を干したり、


古い窓ガラスは割れやすいので優しく拭いて、


苔とスミレは残して雑草を抜いて、


バケツに水を汲んで床板を雑巾掛け。


家事をこれだけしっかりしたらこんなに体力を使うんだ。と驚くほど。


帰宅部育ちの私にはハードな10日間でした。

それでも楽しかったのはスタッフの皆さんが素晴らしかったから。


自分の仕事に責任を持っていてお客様のことを第一に考えて楽しくお仕事しているのが見えて、


皆さんの役に立ちたい。そう思いながら働きました。


群言堂の社員さんは皆さん家族のように仲がいいのに驚きました。


お休みの日も一緒に過ごすことが多いそう。


私もカフェや海や焼き物祭りに連れてっていただきました。


キャンセルがでたお部屋に泊まらせていただいたり


お客様と朝食をご一緒させていただいたり、


研修とは思えないほど贅沢な時間も味わいました。

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阿部家の書斎。


本棚っていいな〜改めて本の良さを感じさせてくれる場所でした。


置いている本でその人の考え方や生き方がわかりますよね。


いい本を読もう。いい本を持とう。そう思いました。

毎日通った街並み。


目立つ看板や旗もなく景観が美しい。


この建物全てが商店じゃなく、住居と店と混ざっています。


生きている町なんだなと感じます。

群言堂では「暮らし」をとても重要視しています。


若い社員さんたちが、この小さな町で家を借りたり、寮に住んで暮らしています。


暮らしの中に仕事がある。そんな感覚です。


丁寧な暮らしを提案してもその人に実生活の「暮らし」がないと


それは嘘になってしまう。


阿部家のおくどさんには生活感があって暮らしが見えます。


いいな〜こんな生活したいな〜では終わらせない。


「あなたそんな生活していていいの?」と問われているようで


反省させられる場所でした。

群言堂を作ったオーナー松葉夫妻。


登美さんは朝からメディアの取材やお洋服のデザイン、夜は阿部家でお客様とお食事して


いつお休みするのかしらと思うほど毎日大忙しでした。


そんな中、「あなたは経営者だから」と講義の時間を作ってくださり


今までの群言堂の成り立ちや、今までこの町でしてきたことを


写真を交えてお話ししてくださいました。

楽しいこと、好きなこと、したいことを見つけて、忘れずそれをずっと想い続けること。


そうしたら自ずと欲しい言葉や、人や、モノが寄ってくる。


自分に受け皿がないと、いくらいいモノ、いい言葉、いい人に出会っても


気づかないし築けないこと。


掛け軸にあった「心想事成」。


この言葉に全てが集約されているように


30年前大森町に住み始めた大吉さんと登美さんが思い描いていた場所が


少しずつ形になって今の群言堂ができているんだなと感じました。

最後の日の朝に、登美さんとお話したくて朝食をお手伝いしにいった時にいただいた言葉。


「最近の人はすぐ疲れた〜っていうけど楽しいことしてたら疲れないのよ。」


「遠慮したらダメよ。遠慮されたら相手が悪い人になっちゃうじゃない。」


「自信がないのが顔に出てるわ。自信を持ちなさい。あなたは大丈夫よ。」


耳が痛いお話。


登美さんは自分にはもちろん他人にもとても厳しくて、


相手がどう生きていったら幸せになれるのか真剣に考えてくださるとても優しい方でした。


ここで学んだことをどう生かすか、これからどう生きていくのか。


考えて考えてもがいてもがいて、


最後に「あ〜楽しかった!!」と終われる人生にしたいと思います。


本当におすすめのお宿です。


どうぞお泊りくださいませ。


他郷阿部家
〒694-0305
島根県大田市大森町ハ159-1
TEL/FAX 0854-89-0022

コメント

  1. […] 去年、島根の群言堂へいった時も 寂しくならなかったので、 全く心配していなかったのですが、大間違い。 2ヶ月会えないと思ったら自分でも驚くほど寂しくて、 35歳にもなって大人気ない。 実はわたしがホームシックにかかってしまい、 泣き言いったらお休みの日に合わせて走って来てくれたのです。 […]