古い麻の着物をいただいた。
生地を愛する人からいただくものは、
古いけど、古いから、質が良いものが多い。
この着物が男性用だったから、わたしのもとへ。
触って、羽織ってみて、いい麻で。
これは涼しいだろうなと直感。
古いものだから、丈もぴったりではないし、普段着だし、自分で洗ってみようと。
ドボンと水につけてひととき。
軽く押し洗いして、軽く水を切って、そのままベランダで陰干し。
天気が良いときだったからすぐ乾く。
ハリがあって、やはり羽織ってみて涼しい。
今の麻とは違うような気がする。
こんな素敵なものを着て昔の人は暮らしてたんかいっ。
暮らしは、時代が進むにつれて上辺だけになっていき、
人の手が介在しなくてもいい世界がどんどん成立していって、
用途だけ備えた無機質な製品が生まれるけど、
シンプルに、人の手で生み出すことに真剣に取り組み、
昔のものから学び、試行錯誤して技を磨いて一つずつ生まれる製品もあって。
どちらが嘘か選べばいい。
君はどちらをゆく。
僕は真ん中をゆく。
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