私という着物屋は偏っている。

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私が思っていた「良い着物屋」とは何だったのか?

 

・「欲しい人に欲しいものをちゃんと届ける」

・ 下品なことをしてはならない。

・ 着物にふさわしい人になろう。

・ この人から買ってよかったと思われる人になろう。

 

そして私が考えていたことは、

地方の富裕層はおそらく、

東京や大阪などの都会の百貨店、呉服店で買うようになり、

最高の買い物は、各産地や各作家さんなどの作り手から直接購入なんじゃないか。

中間業者が排除されて、作り手→お客さんになるのがベストじゃないか。

でした。

 

しかし、派遣会社のような業態が非常にメリットがあるように、

私たちのような小売業である中間業者がいい仕事をしているのも事実です。

作り手が小売販売までしていたら作る時間が減っちゃうなぁとも思うんですよ。

 

なので、緩やかに<作り手→お客さん>がベストな販売形態に向かう。

その過程を最新テクノロジーがカバーしてくれる。

と予想しています。

 

10年前に父と違う着物屋を目指した私たちは、普段着の着物を扱い始めたのですが、

始めた当初と違って、今ではふだん着物は、私たちが販売するより安くで

ネットで購入できるようになりました。

全く同じものなら価格が安い方がいいよね、と私たちは思うし

あそこで買った全く同じものがネットでだいぶ安かった!

と言われては、私たちも信頼を失ってしまう。

 

じゃ、私たちのような着物屋はどうしよう?

・ヘビーユーザーが高齢化でどんどん減っていくよ。

・呉服業界関係者も高齢化でどんどん減っていくよ。

・ネット上で「反物を買う」「仕立てる」「洗ったりシミ抜きも」全てできちゃうよ。

 

という現実を考えると、そんなにリアル店舗の着物屋って必要ない。

毎日8時間、着物に関するお仕事があることは幸せなことだろうけど、

うちの場合、ありませんっ!

悲しくて恥ずかしいことかもしれませんがありません。

 

そこで、「毎日着物に関する仕事をつくるために営業しろっ!営業不足だっ!」

という意見があります。お客様宅への訪問、企画展の開催、DM発送、

休眠客の掘り起こしなど、営業活動を行うということ。

 

しかし、この活動が必要でしょうか?

お客さんがもし着物関連の何かが必要なら、どこかに連絡がいってるはずなんです。

ネット通販会社なのか、うちではない着物屋なのか、悉皆屋さんなのか、

自分で最適なところを見つけ出して、

連絡して不満を解消するはずなんです。

そこでお客さんから選ばれるための努力をしなきゃいけませんが、

その不満を解決できるお店がたくさんあって競争しているから、

もうその中から選んで不満解消したらいいよねと思ってしまうのです。

 

私たちまでそこで競争しなくていい。

 

競争するために武器を磨いたり仕入れたりするのが資本主義なんでしょうが、

そこに時間は使わない。と決めました。

そこでは勝てないので、時間は使わず、ただ降参です。別の場所で生き延びたい。

 

ですので、うちに連絡が来たときはありがたくお仕事させていただきます。

連絡が来るような着物屋になるため、夜中とかにブログ等でPRしていきます。

ブログでのPRは

「嘘のない自分を出すことで、私たちが好きな人だけ来てください。」

「嫌いだなと思った人は、お互いのため来ないでください。」

 というものになっていきます。

 

ただ、リアル店舗の着物屋は選ばれたとしても

それだけでは生きていけないはずです。

 

私の考え方としては「必要な時だけ動く。」

誰か一人のために、必要なときだけ動く着物屋になります。

必要ではないときは、全く別のお仕事をします。

東北の農業従事者が、冬は作物が育たないからと草鞋を編んでいたように。

 

毎月「◯◯が入荷しましたよ〜」

  「来週からは◯◯SALE開催します〜」

のようなスタイルは減らしていきます。

 

・「欲しい人に欲しいものをちゃんと届ける」

・ 下品なことをしてはならない。

・ 着物にふさわしい人になろう。

・ この人から買ってよかったと思われる人になろう。

これは守ってるつもり。下品なことをしているって言われるかな^^;

 

 

 

 

 

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